「子どもは毎日遊んでいるけど成長や教育に問題はないの?」
「子どものためになる遊びをさせたい」
このような不安や想いを抱えていませんか?
子どもにとって遊びは必要だと理解していても、具体的にどのようなことが必要なのかわからないと不安を感じますよね。
今回は「遊びから学ぶ5つの力」と「5つの力を学べる遊び」を紹介します。
この記事を最後まで読むことで、「遊び」の重要性を理解でき、子どもの成長を感じながら大人も一緒に遊びを楽しむことができますよ!ぜひ最後まで読んでみてください。
子どもは遊びが学びにつながる!
遊びは成長の過程に欠かせない生きる力の基盤になります。また、小学校以降の学習や生活の基盤にもなる大切な時間です。
幼児期は自由に遊ぶことで、頭や心、全身を使って主体的に人やものと関わり、総合的に必要な能力や態度を獲得します。
子どもが自ら興味関心をもった遊びに夢中になるなかで試行錯誤を繰り返して、さまざまな経験を重ねることが学びにつながります。
大人は「子どもが主体的に」「自分のしたいように」「自分のペースで」遊べる環境をつくり、学びにつながる環境を整えてあげましょう。
遊びで身につく!子どもの成長に必要な5つの力
子どもは遊びを通じて感じることや気づくことが数多くあります。また、不思議に思ったことを調べたり、友達と協力したりすることで成長に必要なさまざまなことを学ぶのです。
ここでは、子どもが遊びから学ぶ力を以下の5つにまとめました。
遊びながら身につく力を理解して子どもの成長を見守りましょう!
一つずつ解説します。
想像力・創造力|柔軟な思考につながる
子どもは自由に遊ぶなかで想像力や創造力を身につけます。
想像力は、頭のなかで架空のイメージや物事を思い浮かべる力であり、創造力はその想像したアイデアや物事を具体的な形にする力です。
意味はそれぞれ異なりますが、2つの力は相互に補完し合う関係です。想像力・創造力が身につくことで、新しいアイデアやアプローチを考える能力が高まります。また、感受性が豊かになり人の気持ちや視点を考えられるようになりますよ。
想像力や創造力は相互に影響し合うため、遊びを通じて両方育むことが大切です。
問題解決力|自立心を育てる
困った状況を子どもが自ら考えて解決することで、問題解決力が身につきます。
問題解決力とは、自ら課題を見つけ、解決策をじっくり考え主体的に判断してよりよい方法で問題を解決する能力です。
例えば、暑いけど外で遊びたい場合「帽子をかぶる」「日陰を探す」「涼しい時間に遊ぶ」など、解決策を自分で考えられるようになります。
そのときの状況を理解し、必要な情報を集めて自分の力で解決へ導ければ、将来大きな問題に直面しても諦めずに自分で解決できますよ。
コミュニケーション力|協力と理解を深める
親や先生、友達と遊ぶ機会を増やすことでコミュニケーション力は身につきます。
コミュニケーション力とは、対人における意思疎通や協調に必要な力です。コミュニケーションには以下4つの要素が含まれています。
- 自分の言いたいことを「伝える力」
- 相手の言葉を「聴く力」
- 言葉以外で感情や考えを「伝える力」
- 相手の表情や声のトーンから「読み解く力」
例えば、遊び相手がいることでお互いの発言や気持ちを理解し合い、一緒に楽しく遊ぶことで絆が強まりますよね。
このように、遊びを通じてコミュニケーション力を身につけることで良好な人間関係を築けるようになります。
判断力|よりよい選択ができる
子どもが主体的に判断する行為を繰り返し体験することで、判断力は身につきます。
判断力とは、情報をもとにして「選ぶ」「決める」といった適切な判断をする力です。
判断力を伸ばすことで子どもは自信をもってよりよい選択ができ、問題解決能力も向上します。大人は子どもの成長に合わせて「自由に選ぶ」から「適切に選ぶ」ができるようにサポートすることも必要です。
子どもが自分らしい人生を歩むためにも、遊びのなかで判断力を育てていきましょう。
身体能力|体力や運動機能が向上する
体を大きく使った遊びは、体力や運動機能向上につながります。
身体能力とは、体にもともと備わっている以下のような能力です。
- 筋力
- 持久力
- 瞬発力
- 柔軟性
- 平衡性
全身を使って体を動かす遊びは、汗をかくことの楽しさを知り、前向きな姿勢や粘り強さから自己肯定感向上にもつながります。また、体を動かすことは脳の働きに大きく関与しており、運動を繰り返すことで脳への伝達がスムーズになっていきます。
子どもが運動遊びを楽しむために、いろいろな種類の運動遊びを組み合わせるとよいですね。環境や遊びを工夫して、思いっきり体を動かしましょう。
子どもが5つの力を学べる遊び
子どもは遊びを通じて生きるために必要な力を伸ばします。
では、具体的にどのような遊びで子どもの力を育めるのでしょうか?
今回紹介した「5つの力」が学べる遊びを部屋遊びと外遊びに分けて紹介します。
ぜひ、子どもと一緒にできる遊びを見つけて楽しみながら必要な力を育てましょう!
遊び①想像力・創造力を育てる
想像力・創造力を育てる遊びのポイントは「自由に」遊ぶことです。
自分で考えながら思いのままに遊ぶことで、想像力・創造力は高まります。思うようにできず怒り出すときもそっと見守ることで違う方法を試したり、新しい何かを生み出したりすることで力を養います。
【想像力・創造力を育てる遊び】 | |
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部屋遊び | |
多くの本に触れる | 新しい世界や考えに触れる機会が広がり力を身につける |
ごっこ遊び | 異なる役割や状況を想像できる |
お話づくり | 自分の物語をつくることで想像力・創造力が刺激され、新しい視点や可能性を探求できる |
外遊び | |
砂遊び | 自分のアイデアを形にすることで力を高める |
美術館や博物館にいく | 多くの色や形、表現方法を学び、新たな発想力が身につく |
自然探索、自然工作 | 自然界の不思議に触れて想像力・創造力が刺激される |
自由な遊びから柔軟な想像力と創造力を身につけ、将来の可能性を広げましょう。
遊び②問題解決力を育てる
問題解決能力を育てる遊びのポイントは「どうすれば解決できるのか?」と自ら解決策を導き出せる遊びです。
問題解決能力は、一つの能力だけではなく複数の能力をバランスよく鍛えることで向上します。子どもは遊びを通じてさまざまな能力を育み、自然と問題解決能力も高まっていくのです。
【問題解決能力を育てる遊び】 | |
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部屋遊び | |
パズル | ピースを選び完成させることで論理的思考が身につく |
戦略ゲーム(将棋やボードゲームなど) | 次の一手を考える計画性や予測能力が身につく |
水平思考ゲーム | 大人が子どもにクイズを出し、子どもが大人に「はい」か「いいえ」のみで答えられる質問をして回答に近づいていくゲーム。 質問を考える過程で固定観念にとらわれない発想を生み出す力が養われる |
外遊び | |
宝探しゲーム | 手がかりを下に隠されている場所を探すことで力を育てる |
キャンプや自然遊び | 「火がつかない」など自然のなかでおこる予想外の状況を解決することで力を育てる |
チームスポーツ | チームで協力して問題の解決を行い力を育てる |
子どもは興味があることを積極的に考えます。遊びを通じて子どもの興味を引き出し、自分で考える力を育てましょう。
遊び③コミュニケーション力を育てる
コミュニケーション力を育てる遊びのポイントは、親や先生、友達など「他者との関わり」をもって遊ぶことです。
低年齢の時期は身振りや表情で自分の気持ちを表現します。年齢を重ねると相手の話に応じた会話ができるようになり、段階を踏んでコミュニケーション力は発達します。
【コミュニケーションを育てる遊び】 | |
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部屋遊び | |
簡単なボードゲーム | すごろくやかるたなどルールがある遊びで力を身につける |
ごっこ遊び | 相手とイメージを共有して相手の言動に合わせて行動することで、協調性やコミュニケーション力が身につく |
歌やダンス | 他者と一緒に歌やダンスをすることで、リズム感と同時に対話力も身につく |
外遊び | |
簡単なチームスポーツ | ボール投げやかけっこなど仲間と遊ぶことで協調性が身につく |
自然探索 | 公園での宝探しゲームなど協力し合うことでコミュニケーション力を高める |
砂場遊び | 例えば、一緒にお城をつくるなど協力してつくり出すことでコミュニケーション力が身につく |
他者と関わる遊びを積極的に取り入れて、コミュニケーション力を育てていきましょう。
遊び④判断力を育てる
判断力を育てる遊びのポイントは「楽しみながら自然に」遊ぶことです。
知識とは違って言葉で伝えることが難しい判断力。そのため、遊びを通じて実際に経験することが大切です。
【判断力を育てる遊び】 | |
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部屋遊び | |
パズル | ピースを選び、どこにはまるか考えることで観察力や判断力が育つ |
ブロック遊び | どのパーツがどこに合うか考えることで、空間認識や問題解決力が育つ |
色合わせや形合わせゲーム | 同じ色や形のカードを合わせることで、視覚情報をもとに選択・判断できる力が育つ |
外遊び | |
ボール投げやかけっこ | ボールをどのタイミングで投げるか、どの方向に走るかなど考えて判断する力が育つ |
砂場遊び | どの道具を使うか、なにをつくるか考えることで計画力や判断力が育つ |
虫取りや植物観察 | どの虫を追うか、どの植物を観察するかなど考えることで判断力が育つ |
遊びを通じて自分で考え、試すことを繰り返して判断力を育てましょう。
遊び⑤身体能力を育てる
身体能力を育てる遊びのポイントは、さまざまな動作を組み合わせて「体を積極的に動かす」ことです。
特に遊びに取り入れたい動きとして以下の3つを挙げました。
- 体のバランスを保つ動き
- 歩く・走るなど体を移動させる動き
- 道具を操る動き
【身体能力を育てる遊び】 | |
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部屋遊び | |
けん玉やお手玉 | 腕の力、集中力、バランス力を鍛える |
リズム遊び | リズムに合わせて全身を使って動く |
体のぼり | つかむ、のぼる、体を引き上げるなどバランスを保ちながら体を使う |
外遊び | |
鬼ごっこ | 走る、止まる、曲がるなどの動きに加えて瞬発力や判断力も身につく |
ボール遊び | 投げる、蹴る、転がす、走る、道具を使うなどの動きを通じて身体能力を育てる |
だるまさんが転んだ | 走る、止まるなどの動きがあるためバランス能力や瞬発力、判断力も身につく |
運動遊びは一つの動きにこだわる必要はありません。子どもの年齢や好み、住環境に応じて子どもが楽しんでできる遊びを選択しましょう!
遊びを通じて五感を刺激!子どもの学びをサポートする方法
大人が子どもの学びをサポートする方法として、まずは子どもが自由に遊べる環境を用意してあげましょう!ここでおすすめしたいのは外遊びです。
部屋遊びに比べて外遊びは、五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)をバランスよく刺激するものが多く脳全体は活発になります。また、体を使って遊ぶ場面も多いため運動機能が発達し、身体の成長を助けます。
しかし、子どもを毎日外遊びに連れていくことは大変ですよね。そのようなときは外遊びにこだわらず「子どもの興味が広がったり深まったりして遊びがさらに展開されるように」という視点をもって遊びを選択するとよいでしょう。
大人は子どもの主体性を尊重し、子どもが自由に遊べる場所や物的環境(必要な道具や遊具)、人的環境(友達との関わりなど)を用意してあげることで遊びをサポートできますよ。
まとめ|子どもは遊びが必要不可欠!遊びから得る学びで成長力UP
子どもは遊びを通じて生きる力を身につけていくため遊びが必要不可欠です。
遊びから多くの学びを得て生きるための基礎をつくり、子どもは大きく成長します。
遊びのなかで学び、体を積極的に動かして人や自然と触れ合う機会を増やすことが子どもの生きる力を育む基礎になるのです。
子どもにとって遊びは「心身ともに成長できる糧」です。大人が遊びの重要性を理解して見守ることで、子どもの可能性は伸ばせます。遊びを通じて、大人も一緒に子どもの成長力を育てていきましょう!