「何もやる気が起きない」「会社に行きたくない……」あなたはそんな症状に悩まされていませんか?気分の落ち込みを感じてはいるものの、どう対処したらいいのかわからないときもありますよね?
今でこそ大学で心理学を学び、産業カウンセラーの資格を有する筆者ですが、以前は環境の変化によるストレスや心身への影響に関しては、まったく知識がありませんでした。
新年度が始まる4月に、進学や就職、転勤や部署異動などの、環境の変化があった人に症状が出やすいのが「五月病」です。
この記事では、連休明けに症状が出やすい五月病の原因と対策について解説していきます。事前に対処法を知っていれば五月病を予防しやすくなるので、ぜひ最後までお読みください。
五月病の対策(5選)
五月病の症状を未然に防ぐためには、事前の対処が必要です。忙しい日々の中で、いつの間にかストレスが溜まってしまっていることもあります。 普段から自分の心身の健康状態に目を向けて、五月病を予防していきましょう。
①趣味などのリラックスできることをする
自分の好きなことや趣味を楽しむ時間を、意識的にとりましょう。やりたいことや好きなことに夢中になることで、あなたの意識を仕事や職場のことから切り離せます。好きな本や漫画を読んだり、音楽を聞いたりして、あなたがリラックスできる時間を作りましょう。
②適度な運動を取り入れる
ウォーキングなどの軽い運動には、健康的な体を維持するだけでなく、精神的なストレスを和らげる効果もあります。まずは短時間でもいいので、継続的に運動する習慣を身につけましょう。運動が苦手な人は、簡単にできるストレッチやラジオ体操などで、適度に体を動かすのもおすすめです。
③生活リズムを整える
休日はいつもより起床時間が遅くなりがちですが、なるべく普段と同じ時間に起きて、生活のリズムを乱さないようにしましょう。また、良質な睡眠をとることは心身の疲労回復に繋がります。夜更かしや、寝る直前にスマホやパソコンなどのデジタル機器を使用することは、できる限り避けましょう。
④栄養バランスの取れた食事を心がける
心と体の健康を維持するためには、栄養バランスの取れた食事を意識することが大切です。ビタミン、ミネラル、タンパク質、DHA・EPAなどの栄養素を、バランス良く摂取しましょう。食生活を整えることは、メンタルヘルス不調の予防にもなると言われています。
⑤人に悩みを相談する
誰かに自分の気持ちを話したり、共感してもらったりするだけでも、心が軽くなることがあります。心配事や不安なことがあるときは、家族や友人などの信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。身近な人に相談しづらい場合は、医療機関や相談窓口を頼ってみるのも1つの手です。1人で悩みを抱え込まないようにしましょう。
五月病の原因
五月病の原因は、主に心身のストレスや疲労です。
新しい環境に馴染めず、緊張や不安を感じている状態が続くと、ストレスが溜まりやすくなります。環境の変化にうまく適応できず、普段よりエネルギーを消耗してしまう人も多いでしょう。
過剰なストレスは、あなたの心と体の健康状態に悪影響を及ぼします。
厚生労働省のホームページでは、五月病について以下のように説明されています。
ゴールデンウィーク(春の大型連休)を過ぎた頃に注意が必要なのが、「五月病」です。新入社員や人事異動など環境変化のあった方が、新しい環境への適応がうまくいかず、なんとなく体調が悪い、やる気が出ないなど心身に不調があらわれる状況を言われています。五月病は正式な病名ではありません。医学的には、「適応障害」、「抑うつ状態」などの病気と関係があるとされることが多いです。
引用元:厚生労働省ホームページ
適応障害とは?
日常生活の中で、何かのストレスが原因となって心身のバランスが崩れて社会生活に支障が生じたもの。原因が明確でそれに対して過剰な反応が起こった状態をいう。
日常生活の中で起こった出来事や環境に対してうまく対処できず、心身に様々な症状が現れて社会生活に支障をきたす状態をいいます。
ストレスの原因が明確であることが定義上重要となります。
引用元:厚生労働省ホームページ
適応障害とは、日常生活で大きな変化があったときに、その場の環境(職場や学校など)にうまく適応できずに様々な症状が出てしまうことを指します。
抑うつ状態とは?
気分が落ち込み、憂うつになる状態をいいます。抑うつ状態を呈する代表的な疾患としては、うつ病が知られていますが、不安障害、統合失調症、適応障害、パーソナリティ障害、などあらゆる精神疾患の併発症状となり得ます。
引用元:厚生労働省ホームページ
抑うつ状態とは、ストレスや疲労など様々な原因で、気分の落ち込みや憂うつな気分を感じている状態が続き、心身の不調があらわれることを指します。
五月病になりやすい人の特徴(5選)
五月病は誰でもかかる可能性がありますが、症状が出やすい人にはいくつか特徴があります。普段から次のような傾向がある人は、特に注意が必要です。
①真面目で几帳面
真面目で几帳面な人は何事にも真剣に取り組むため、つい無理をしてしまいがちです。一生懸命がんばりすぎて、いつの間にか疲れやストレスを溜め込んでしまっていることがあります。
②完璧主義
完璧主義の人は何事にも完璧さを求めるあまり、自分にも厳しくなりすぎてしまうことがあります。うまくいかないことがあったときに、強いストレスを感じてしまう傾向があります。
③1人で抱え込みやすい
責任感が強く、何でも自分で解決しようとする人は、1人で悩みを抱えこんでしまいがちです。悩み事があっても誰にも相談できずに、ストレスを溜め込んでしまうことがあります。
④環境の変化に敏感
繊細で環境の変化に敏感な人は、新しい環境になかなか馴染めないことがあります。慣れない環境で不安や緊張を感じている状態が長く続くと、心や体の不調があらわれやすくなります。
⑤ネガティブに考えやすい
目の前の出来事をネガティブにとらえてしまう傾向がある人は、頭の中でどんどん悪い方向に考えてしまうことがあります。ネガティブなことを考えて気分が落ち込んだ状態が長く続くと、心身に様々な不調をきたします。
まとめ│ストレスをうまく解消して五月病を予防しよう!
- 5月病の対策
- 5月病の原因
- 5月病になりやすい人
個人差はあるものの、五月病は誰でもかかる可能性があります。今回ご紹介した内容を参考にしながら、ご自身に合う予防策を見つけていきましょう。
また、不眠や食欲不振(または過食)、気分の落ち込みなどの症状が長期的に続いている人は、医療機関の受診をおすすめします。
心身のストレスをうまく解消して、五月病を予防していきましょう。
相談窓口はこちら→厚生労働省ホームページ