「最近、子どもとうまくコミュニケーションをとれていない気がする」
「子どものために何ができるんだろう?」
そんな不安やモヤモヤを抱えている親御さんは、たくさんいらっしゃると思います。
親はいつだって子どものことを想い、あれこれ奮闘しています。
しかし、その想いが子どもにうまく伝わっていない場合はありますよね。
今回は、3人を子育て中の筆者が、子育てに悩む中で
- 子どもを理解することの大切さ
- 愛情を伝えるにはコツがあること
を教えてくれた育児書3冊をご紹介します。
この記事を読んで、子どもに愛情がしっかり伝わる方法を学び、心地よい「親子の時間」を増やしていきましょう!
子育て本ってどういうもの?本当に必要?
子育て本とは、子育てに役立つ知識・考え方が書かれた本のことです。
困ったことがあってもすぐweb上で調べられる時代。「子育て本」なんて要らないんじゃないの?と思われるかもしれません。
しかし、web上には、根拠に乏しい情報が発信されていたり、情報が多すぎたりして混乱することもあります。
このように子育てに悩んだときは、経験豊富な育児のプロが書いた「子育て本」がオススメです。
悩み解決のヒントを与えてくれ、知りたかったことを教えてくれます。
そして一冊読みきると、知りたかった情報だけでなく、子育てに関連した他の知識も身につくので、うれしいポイントになります。
オススメの子育て本3選
子どもの活力のもとは親の愛情です。子どもの「やる気も笑顔も」親の愛があってこそ!
これから紹介する子育て本3冊を参考に、上手な愛情の伝え方をマスターしてくださいね!
それでは、一冊ずつみていきましょう!
オススメの子育て本①|『はじまりは愛着から』人を信じ、自分を信じる子どもに
この本では、育児にとって「母性と父性は、バランスより順序が大切」と説いています。
子どもには(母性により)包み込まれている「安定感」や、見守られている「安心感」を充実させることが何よりもまず必要になります。
その後、成長にともなって、社会の規律、約束、義務を教える(父性)ことが必要になってくるということです。
子どもにはまず「たっぷりすぎるくらいの受容と承認を与える」ことが大切なのですね。
甘やかしすぎてわがままな子にならないか心配になりますか?
心配はいりません。どんなに幼くても、子どもには「子ども社会」という認識があるそうです。
家では好き勝手、わがまま放題のうちの娘も、保育園ではよくお手伝いをし、クラスメイトの面倒見もよかったようです。
なお、本の著者は母性を「母性性」、父性を「父性性」という言葉で表現しています。
それは母性=女性、父性=男性、とするのではなく、どちらもその役割を果たすことが可能であることを示しています。つまり、一人親であっても、理想の子育ては叶うということです。
著者:佐々木正美
半世紀以上、多くの子と親に接してきた児童精神科医
おもな著書に『0歳からはじまる子育てノート』(日本評論社)、『自閉症ハンドブック』(学研)、『子どもへのまなざし』シリーズ(福音館書店)ほか多数。
オススメの子育て本②|『子どものやる気を引き出す「聴き方」のルール』
この本は、「傾聴」の極意を説いた本です。
傾聴とは、ただ話を真剣に聴く、ということではありません。
「話を聴いてもらった」という満足感を子どもに与えられているかどうか、が重要だといいます。
正しい傾聴のポイントは
- 相槌に「正論」や「指示」を交えない
- 話す内容の事実確認にこだわらない
- 親の「こうして欲しい」を棚上げにし、子どもの話をまっさらな状態で聴く
このような姿勢で子どもの話を聴くと、子どもは堰を切ったように話し出します。
その上で、「こう思ったんだね」「こんな気持ちだったんだね」と話から読み取れる相手の感情を言葉にして返してあげるのです。
こうすることによって子どもは「わかってもらえた」と大きな喜びを感じます。
うちの中学生の娘は、普段それほどおしゃべりではありません。しかし、このポイントに気を付けて傾聴したところ、目を輝かせ、どこまでもついてきて話を続けました。
驚くと同時に、本当はいつもこんなに話したかったんだ、ということに気づけました。
著者:松本文男
NPO法人日本精神療法学会理事長、国際精神療法学会理事(東アジア担当)、日本傾聴療法士会長。おもな著書に『悩む十代心の病』『こんな時どうする』(東京法令出版)、『心の談話室』(近代文藝社)、『ストレスとアレルギー』(医学書院)ほか多数。
オススメの子育て本③|『自立論』子どものやる気を引き出す親になる
この本では、子どもを伸ばすことができるのは「親が愛していることを子どもに実感させられる人」であると説きます。
子どもは何よりも親の「関心」を欲しがっています。
子どもを気にかけない親はいませんが、今の子どもたちは与えられることに対して慣れてしまって、親の愛情を自覚するのが下手になっているそうです。
そこで、「親もちょっとだけ工夫をして愛を伝える必要が出てきた」というのがこの本のポイントになります。
その愛を伝える工夫、それは、子どもの失敗に対して
- その子が「何をしようとしたか」を考えること
です。結果に注目せず、その行動にいたる動機に着目するのです。
子どもは、それぞれに一生懸命考え、行動しています。わざと失敗したり、間違ったことをするわけではありません。
「手伝おうと思った」「一緒に遊びたかった」「どうしても知りたかった」けれども、失敗してしまったんだね、と、まずその子に望ましい動機があったことを理解してあげることが大切です。
すると子どもは、「自分をわかってくれている、みてくれている」と親の愛情をしっかり感じ取ってくれます。
うちの3番目の子(4歳)は、兄弟を泣かせ、「自分は悪くない!」と言い張っていたことがあります。そのとき、喧嘩にいたった気持ちを理解して代弁してあげると、涙をながして私に抱きついてきました。
兄弟にも謝り、子どもからは「わかってくれてありがとう」という感謝の気持ちが伝わってきました。
著者:赤坂真二
19年間の小学校での学級担任を経て上越教育大学教職大学院教授に。
現職教員や大学院生の指導を行う。日本学級経営学会共同代表理事。
おもな著書に『アドラー心理学で変わる学級経営 勇気づけのクラスづくり(学級経営サポートBOOKS)』(明治図書出版)、『友だちを「傷つけない言葉」の指導』(学陽書房)、『いま「クラス会議」がすごい!』(学陽書房)ほか多数
【実体験】子育て本を読んで|心地よい親子の時間が増えていく
最初の子を生んだとき、親は勝手に「子どもにふさわしい親」になれるのではないことにすぐ気づきました。
新しく出会った「ひとりの人間」と格闘する毎日。子どもとの生活にしあわせを感じながらも、「親ってどうあるべき?子どものために何ができる?」と悩む日々の中、育児書を何冊も読みました。
その中で自分が助けられたのは、「子どもに寄り添い、愛情をきちんと届けることの大切さ」が書かれた育児書でした。
自分が愛されていることを実感している子どもは、自分のやりたいことにどんどん挑戦します。失敗も気にしません。
それは、人間にとって一番大切なことのように思えます。
「子育て本」は、愛情を子どもに届ける方法を教えてくれました。
そして愛情をしっかり受け取り、生き生きと話し、楽しそうに笑う子どもと過ごす時間は、非常に心地よいものとなりました。
まとめ|育児のプロからコツを学んで「親子の時間」を楽しもう!
この記事では、「子どもを理解することの大切さ」「愛情を伝えるにはコツがあること」を教えてくれた育児書を3冊紹介しました。
想い合っていることをお互い実感するその時間は、素晴らしい喜びになります。
育児書から育児のコツを学んで「親子の時間」を楽しんでくださいね!