【成功体験談!】競売物件取得の方法とリスクヘッジを徹底解説!

安く不動産を手に入れたいけど、なにかいい方法はない?
競売物件ってリスクが高いって聞くけど、ホントのところどうなの?

リスクは高いですよ。高いですが、市場の7割程度で物件が手に入ると思えば挑戦する価値はあります

この記事では、実際に競売物件を手に入れた筆者が取得方法のほか、一般の取引と異なるゆえに存在するメリット、リスクを体験談とともにご紹介します。

この記事を読んで、競売物件を物件獲得手段の選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

目次

競売物件とは

競売(けいばい)物件とは、債務者が債務不履行(住宅ローンが返済できなくなった等)を起こした際、金融機関などの債権者が裁判所に申し立てることにより、強制的に売却された物件です。

最も高額の入札をした人に売却され、その代金は債務の返済に充てられます。

不動産のローンを組む場合、ローンが支払えなくなったときに不動産を担保とする「抵当権(※)」が設定されます。この「抵当権」を用いて強制的に売却できる仕組みになっています。

※抵当権:債務不履行の場合、担保について、他の債権者に優先して弁済を受けうる権利

競売物件の購入方法

競売物件は裁判所や新聞で公示されますが、最近はWebで探すのが主流です。

『BIT(不動産競売物件情報サイト)』では、ほぼ全国の裁判所の物件が公開されていますので、利用してみてください。重要な物件情報を、予算や地域から検索できます。

この項では競売物件の購入方法を案内します。

それでは、必要な書類、手順をしっかり確認していきましょう。

入札の参加資格

入札には、原則として誰でも参加できますが、一部入札が制限されます。

以下に該当する場合は入札に参加できません。

  • 競売物件の元所有者
  • 競売行為の妨害を行った人
  • 暴力団員
  • (農地の買受けを希望するとき)農業委員会等の審査の結果、買受適格証明書が発行されない場合

入札の準備と手順

まず購入したい競売物件についての情報を確認していきましょう。

競売物件には「現況調査報告書」「評価書」「物件明細書」の3点セットが必ず公開されます。

これは裁判所側から入札者に提供される唯一の情報です。

  • 現況調査報告書

土地の現況地目(宅地、田、畑など)、建物の種類・構造など不動産の現状が確認できる。

不動産を占有している者(現に住んでいる人)の氏名やその者が占有する権原を有しているかどうかなども記載され、不動産の写真も添付されている。

  • 評価書

競売物件の周辺の環境や評価額が記載され、不動産の図面などが添付してある。

  • 物件明細書

競売後もそのまま引き継がなければならない賃借権などの権利があるかどうか、土地または建物だけを買い受けたときに建物のために底地(借地権付の土地の所有者)を使用する権利が成立するかどうかなどが記載。

競売物件は中に入って現物を確認できないので、この3点の書類からこの物件におけるリスク、利益を考え、入札に値するかどうか判断しなければなりません。

しっかりチェックしておきましょう。

次に入札の手続きについてみていきます。

  1. 入札期間

1週間~1ヶ月ほどとされます。その間に収集した情報から入札するかどうかを決めましょう。

  1. 必要な書類を準備
  • 入札セット(裁判所でもらう)

 ・ 入札書(入札金額、入札者の氏名住所を記入する) 

・ 入札用封筒

 ・ 保証金振込証明書(入札するために必要な保証金)

  ※金融機関に出向き「裁判所保管金振込依頼書」であらかじめ保証金(売却価格の10分の2以上)を振り込む

  • 住民票
  •  暴力団員等に該当しない旨の陳述書(書式はBITからダウンロード可)

 ※その他、裁判所によって必要となる書類がある場合もあるので、該当する裁判所に確認してみるとよいでしょう。

  1. いくらから入札できる?

公告に記載された買受可能価額(売却基準価額の8割の価格)以上の金額から入札可能です。

売却基準価格が市場価格の7割程度ですから、そこからさらに2割安で入札可能ということです。

その額で落札できるかどうかは別として、入札自体は市場価格でみると相当な安値で臨めます。

  1. 入札方法は

入札は入札書を直接提出する方法と、入札書を郵送する方法があります。

入札期間を過ぎてから提出したものは、無効となります。また、いったん提出した入札書は、訂正や取り消しができませんので注意しましょう。

落札後の手順

  1. 開札

 入札期間が終わると、あらかじめ公告されていた開札期日に開札が行われます。

 結果は裁判所のほか、BITでも確認可能です。

  1. 売却許可決定が下りる

落札者(最高価買受人)となった場合、開札期日の約1週間後に売却許可決定がされ、裁判所から正式な買受人として代金納付期限通知が送られてきます。

  1. 代金納付と所有権移転

指示された必要書類とともに代金納付手続きが完了したら、不動産は買受人の所有となります。移転登記は裁判所が行ってくれるので安心です。

登記の手続きが終了すれば、競売物件取得完了となります。

なお、落札は取り消しができません。落札したけれど支払いができなかった、ということが無いように注意しましょう。

※落札できなかった人の保証金は、後日返金されます。

競売物件購入に住宅ローンは使える?

競売物件が市場価格より安いとはいえ、不動産物件取得には大金が必要となります。

ローンが組めるかどうか、気になるところですよね。

結論からいうと、「競売のローン制度」は利用できます。

平成10年12月以前の競売物件は、現金一括で支払うのが大原則でしたが、一般の人たちが容易に競売へ参加できるように法律が改正されました。(民事執行法第82条2項に基づくローン制度)

ただし、事前にローン制度を利用する旨の申し出を裁判所に対して行う必要があります。金融機関にも必ず事前に相談しておきましょう。

入札時に事前に払う保証金は、獲得できるかわからない物件に対するお金ですから、住宅ローンが使えません。保証金分は必ず自分で用意しておきましょう。

競売物件|メリット3選

競売物件におけるメリットを3つ紹介します。

リスクのイメージがつきまとう競売物件。しかし、メリットを知ればその価値がわかってきます。

さっそく紹介していきましょう。

メリット①物件を割安で購入できる

競売物件は、不動産相場の3割安で売りに出されます

これは、競売物件の販売価格が一般の販売価格ではなく、評価人の評価に基づいて定められた売却基準価格になるためです。

競売物件のなかには5~7割以上の価格差があるものも存在するため、購入価格を抑え、高い利回りを実現する物件取得の方法として紹介されることもあります。

ただし、あまりに安い物件の場合は高いリスクが潜んでいる可能性(購入後使用できるまでに莫大な費用がかかるなど)がありますので、前述した「3点セット」などできちんと情報を把握しておきましょう。

以上、競売物件は市場の3割安の価格から入札可能、ということで普通の売買よりも物件が安く手に入る可能性があることを紹介しました。

メリット②購入手続きがシンプル

競売物件では、必要書類を提出し、保証金、落札後の残金を納付すれば手続きは完了です。煩雑な手続きは裁判所がすべて行ってくれます。

一般的な物件の場合、専門知識や経験のある司法書士に依頼して、所有権の移転登記や抵当権の抹消登記などの手続きをしなければなりません。

競売物件は、通常の物件よりも手続きの負担が少ないといえます。

メリット③一般市場では流通しないような物件もある

競売物件には、市場になかなか流通しないような物件もあります。売買が成立しにくい特殊な形状の土地や極端に狭い物件、市街化調整区域内の建物、農地や山林などがそれに当たります。

そうした特殊な物件を活用して事業などを考えている場合、競売物件は有効な物件取得手段です。

 競売物件|リスク3選

 リスク①契約不適合責任が限定されている

競売物件は、明け渡しまで内覧ができません。したがって裁判所が提供する物件明細書・現況調査報告書・評価書や、現地を敷地の外から確認する以外に現状を知るすべがありません。

そのような条件のなかで、万が一競売物件に関して重大な不具合があったとしても、契約不適合責任による補償が行われないケースも多いので、十分注意が必要です。

雨漏りや建物の腐食といった欠陥が見つかったとしても、売買契約の取り消しや損害賠償の請求ができない、ということです。

いざ購入してみたら、修繕などで大きな出費が必要になる可能性もでてきます。

 リスク②物件引き渡しが自己責任

一般の物件は、代金を支払うと同時に物件と鍵の受け渡しが行われます。しかし競売物件では名義の書き換えのみで、引き渡しについて裁判所は関与しません

したがって、占有者や所有者が居座った場合、落札した人が立ち退き交渉をする必要があります

もし、占有者がいて引き渡しに応じない場合は裁判所に引き渡し命令申立てを行い、執行官の明け渡し執行(強制退去を行います。(手続きには、別途費用が必要)

※ただし債務名義上の債務者と建物の占有者とが一致しない場合には、強制執行の手続きは難しくなります。その点に注意してください。

住んでいる人と話し合いができる場合には、立ち退き時期など猶予を与えたり、多少なりとも引っ越すための費用を融通したりして解決したほうがスムーズな場合もあります。

リスク③残された動産の処分問題

競売物件の取引は不動産の権利だけを扱いますそのため、落札者は動産(残置物)の適切な処分について一切の責任を負わなければなりません。

部屋に残された荷物、家具をどうするか、という問題です。

本来は、この残された物の所有者から「動産放棄の承諾書に同意をもらったうえで、新たな所有者が処分するという形が望ましいです。

しかし旧所有者とは連絡がとれないケースも多く、費用を負担して強制執行を実施するのが通例となります。

勝手に処分したりすると、動産の権利者から訴訟を起こされる場合も考えられるので慎重に進めましょう。

体験談|競売物件における成功事例2選

優良物件であるほど、結局は相場と変わらない価格で業者に落札されるケースが多いです。

しかし、そのようななかでも筆者が取得できたケースを2つ紹介します。参考にしてみてください。

マンションの場合

駅にも近く、非常に条件の整った所にあるマンションでしたが、占有者がいました。そのため、売却基準価格に200万円ほど上乗せした程度の額で入札に臨みました。

この物件における占有者は、賃貸契約による入居者でした。

賃貸契約による入居者は、新しい所有者(落札者)から退去を求められた場合には、6カ月の猶予期間が設けられています。

入居者にはその期間のうちに、無事退去してもらえました。

このケースは、「占有者がいる、というハイリスクな物件のため安く落札できた」「占有者に無事退去してもらえた」という点でうまくいった事例です。

なお賃貸契約が締結されている場合、退去までその間の家賃を受け取ることは可能ですが、建物をすぐに使えないことは承知しておかなければなりません。

 戸建て住宅の場合

建物の老朽化などから、取得後の出費がかさむことは明白な物件でした。

そのため、売却基準価格は破格に安かったです。

「取得後の出費を考えても利益がでる」「入札者が他にいない」と踏んで、ほぼ提示された額で入札に参加しました。

結果は落札。入札に参加したのは筆者のみでした。

想定していた通りに出費はありましたが、その出費を含めても「利益がでる」と考えられるのならば挑戦してみる価値はあると思います。

まとめ|リスクを把握し競売物件購入へ

今回は、競売物件の購入方法、メリットやリスクについてまとめました。また、競売物件を取得した筆者の体験談もご紹介しました。

メリットとともに具体的なリスクをご理解いただけたと思います。

手数料はかかりますが、後でより大きなトラブルに見舞われずにすむよう、不動産の専門家などに業務の代行を依頼したり、相談するケースも多いようです。

リスクをしっかり把握し、自分が納得できる方法で競売物件取得を目指しましょう!

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